怪我からのスポーツ復帰に本当に必要な要素とは

―エビデンスから考える段階的リコンディショニング―
スポーツにおける怪我からの復帰は、「痛みが取れた」「日常生活が問題なく送れる」だけでは不十分です。
実際、競技復帰後の再受傷率の高さは多くの研究で指摘されており、特に復帰プロセスの質がその後の競技人生を左右すると考えられています。
本記事では、エビデンスに基づきながら、怪我から安全かつ再発リスクを抑えてスポーツ復帰するために必要な要素を整理します。
① 組織修復の段階を尊重すること
まず大前提として、筋・腱・靱帯・骨などの組織には生物学的治癒過程があります。
炎症期・修復期・成熟期を無視した過剰な運動負荷は、回復を遅らせるだけでなく慢性化の原因になります。
**Khan & Scott(2009)**は、腱組織の回復において「痛みの消失」と「組織の耐荷能力」は一致しないことを指摘しています。
重要なのは
- 痛みがなくても、組織はまだ弱い可能性がある
- 段階的な荷重刺激が必要
という視点です。
② 可動域とアライメントの回復
怪我後は、防御反応や不動によって関節可動域の制限やアライメントの崩れが起こります。
これを放置したままトレーニングを進めると、代償動作が定着し、別部位の障害を引き起こします。
**Deyle et al.(2005)**は、関節モビライゼーションを含む理学療法が、単なる運動療法よりも機能改善に優れることを示しました。
これはスポーツ外傷・障害においても共通する考え方で、
「動かせる状態を作ってから、動かす練習をする」
という順序が極めて重要です。
③ 筋力だけでなく「筋機能」を取り戻す
筋力低下は分かりやすい問題ですが、実際には
- 筋の発火タイミング
- 協調性(シナジー)
- 抑制と促通のバランス
といった神経筋制御の破綻が大きな課題になります。
**Palmieri-Smith et al.(2008)**は、ACL損傷後、筋力が回復しても大腿四頭筋の神経筋制御が完全には戻らないケースが多いことを報告しています。
このことから、
単なるマシントレーニングではなく、
- 閉鎖性運動連鎖
- 重心制御
- 姿勢制御を伴う運動
が不可欠であることが分かります。
④ 固有感覚とコーディネーションの再学習
怪我は、**関節のセンサー(固有感覚)**にも大きな影響を与えます。
これが回復しないまま競技に復帰すると、「なんとなく不安定」「踏ん張りが効かない」という感覚が残ります。
**Riemann & Lephart(2002)**は、関節損傷後における固有感覚低下と再受傷リスクの関連を示しています。
そのため、
- バランストレーニング
- 不安定要素を含むエクササイズ
- 競技動作に近い課題設定
が復帰プロセス後半では不可欠になります。
⑤ 心理的要因(Fear of Re-injury)
見落とされがちですが、心理的準備も重要な復帰要素です。
痛みや不安が残ったままの復帰は、パフォーマンス低下だけでなく再受傷にもつながります。
**Ardern et al.(2013)**は、ACL再建後の競技復帰において、心理的要因が復帰成否に大きく影響することを示しました。
「身体は戻っているのに、動き切れない」
この状態を無視してはいけません。
アジャスト上野Training&Careの考えるスポーツ復帰サポート
アジャスト上野では、
怪我の部位だけを見るのではなく、
全身の動き・姿勢・負荷のかかり方を確認します。
鍼灸によるケアで
・筋緊張の調整
・血流改善
・回復しやすい身体環境を整え
トレーニングでは
・関節の安定性
・運動連鎖
・スポーツ動作につながる基礎動作
を丁寧に積み上げていきます。
「復帰すること」ではなく、
「復帰後も継続してプレーできること」
それが本当の意味でのスポーツ復帰だと考えています。
怪我からの復帰は、
焦らず、しかし曖昧にもしないことが大切です。
正しい評価と、正しい順番。
それが、再発を防ぎ、
競技を長く続けるための土台になります。
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