筋膜の役割から考える運動連鎖

筋膜リリースという言葉を耳にする機会が増え、フォームローラーやマッサージなどで身体をほぐすセルフケアも一般的になりました。

しかし、筋膜は本当に、ほぐしたり剥がしたりすることを目的とする組織なのでしょうか?

身体の動きを考えると、筋膜にはもっと重要な役割があります。

 

筋膜は身体のつながりを支えている

筋膜は、筋肉などを包み、身体のさまざまな組織をつないでいる結合組織です。

筋膜を含む結合組織は、身体を支えるだけでなく、動作に伴う張力の伝達にも関わっています。

私たちの身体は、筋肉ひとつひとつが独立して働いているわけではありません。複数の筋肉や関節が協調することで、歩く、走る、腕を上げるといった動作が生まれます。

こうした身体の連動を「運動連鎖」といいます。

 

運動連鎖の中で筋膜を考える

例えば、腕を上げる動作を考えてみましょう。

腕をスムーズに上げるには、肩関節だけでなく、肩甲骨や胸郭、体幹などが適切に連動する必要があります。

また、歩行では足首や膝、股関節、骨盤などが協調して働きます。

このように、身体の動作は一部分だけで完結するものではありません。

筋膜も、こうした全身のつながりや力の伝達に関わる組織のひとつです。

だからこそ、筋膜を単に「硬くなったから緩める」「癒着しているから剥がす」という視点だけで捉えるのではなく、身体全体の運動連鎖の中で考えることが重要になります。

 

筋膜をリリースすれば、身体は変わる?

筋膜リリースと呼ばれる手技やセルフケアによって、痛みが軽減したり、関節が動かしやすくなったりすることはあります。

ただし、その変化が起きたからといって、筋膜の癒着が物理的に剥がれたとは限りません。

徒手による介入では、痛みの感じ方や感覚入力、筋緊張など、さまざまな要因が変化に関わります。

つまり、身体が変化することと、筋膜が物理的に剥がれることは別の話です。

ほぐすこと自体を否定する必要はありません。しかし、筋膜をリリースすることだけを目的にしてしまうと、身体全体の機能という視点を見失いかねません。

 

大切なのは、身体のつながりを動作に活かすこと

身体の動きに問題がある場合、硬い部分だけに注目するのではなく、どの関節が動き、どの筋肉が働き、身体全体がどのように連動しているかを考える必要があります。

必要に応じて可動性にアプローチし、その後に運動を通じて身体の使い方を身につけていく。

こうした取り組みによって、身体の状態を整えるだけでなく、実際の動作の改善につなげていきます。

 

アジャスト上野 Training&Careでは、鍼灸や整体によるコンディショニングと、ファンクショナルトレーニングを組み合わせ、一人ひとりの身体の状態に合わせたサポートを行っています。

肩こりや腰痛を繰り返している方、姿勢や動作が気になる方、年齢を重ねても動きやすい身体を維持したい方は、ぜひご相談ください。

筋膜をほぐすことだけを目的にするのではなく、運動連鎖の中で身体全体の機能を考える。

それが、アジャスト上野が大切にしている動作改善の考え方です。